301リダイレクトとは?SEOへの影響やhtaccessを使った書き方を解説
Webサイトのリニューアルや移転でURLやドメインが変更になる場合には、301リダイレクトの設定が必要です。リダイレクトに失敗するとSEOにも悪影響が及んでしまいます。
この記事では、301リダイレクトの設定方法と実際の書き方、SEOへの影響を解説します。
目次[非表示]
- 1.301リダイレクトとは?
- 2.301リダイレクトの設定方法
- 2.1.「.htaccess」を利用した設定手順
- 2.2.「.htaccess」が使えない時はどうするの?
- 2.3.wordpressでの301リダイレクト設定方法
- 2.4.設定後は確認を!
- 2.5.ドメイン単位でのリダイレクト
- 2.6.ページ単位でのリダイレクト
- 2.7.ディレクトリ単位でのリダイレクト
- 2.8.index.htmlありをindex.htmlなしへのリダイレクト
- 2.9.wwwなしからwwwありへのリダイレクト
- 2.10.httpからhttpsへのリダイレクト
- 3.301リダイレクト設定時の7つのチェックポイント
- 3.1.①Google Search Consoleのアドレス変更
- 3.2.②サイト内URLの変更
- 3.3.③XMLサイトマップの作成
- 3.4.④robots.txtの制御確認
- 3.5.⑤関連性の低いページへのリダイレクト設定
- 3.6.⑥新サイトトップページに全てリダイレクト設定
- 3.7.⑦リダイレクトチェーンとリダイレクトループ
- 4.301リダイレクトの必要性とは?SEOへの影響
- 4.1.SEO観点(検索エンジンの観点)
- 4.2.ユーザー観点
- 4.3.301リダイレクトが必要な場面
- 4.4.302リダイレクトとの違いは?
- 4.5.正しく301リダイレクト設定をしよう
301リダイレクトとは?
301リダイレクトとは、httpステータスコードの1つで、検索エンジンにURLの変更を教える役割があります。
Webサイトの移転やリニューアルの際に、301リダイレクトを設定することで、ユーザーが旧サイト・ページにアクセスしても、自動的に新サイト・ページへと転送されるようになります。
検索エンジンからのページ評価を引き継いで、恒久的に転送するのが特徴です。
301リダイレクトの設定方法
ここでは301リダイレクトの設定方法を「.htaccess」を利用した場合と「WordPress」での場合の2通りを説明します。
「.htaccess」を利用した設定手順
301リダイレクト設定は、一般的に「.htaccess」を利用して設定されます。
具体的な手順は以下の通りです。
- メモ帳などのテキストエディタで必要情報を記述する
- 「.htaccess」のファイル名で保存する
- FTPソフトなどを利用してファイルをサーバにアップロードする
ファイルは設定内容を反映させたいディレクトリのトップに置きます。
htaccessとは、Webサーバの動作をディレクトリ単位で制御するファイルのことです。リダイレクト、アクセス制限、ベーシック認証などの設定時に活用されます。
htaccesはサーバによっては使えない場合があります。利用しているサーバの以下3点をチェックしてください。
- WebサーバソフトウェアにApachを使用しているサーバである
- htaccessが制限されていない
- Webサーバ拡張機能であるmod_rewriteが使える
mod_rewriteに関しては必須ではありませんが、使えることでより複雑なリダイレクト設定ができます。
「.htaccess」が使えない時はどうするの?
htaccessが使えない時には、「canonical」、「PHPなどのプログラム」、「meta refresh」、「JavaScript」といった方法が検討されます。
meta refreshやJavaScriptはSEO評価が引き継がれない、検索エンジンによっては上手くリダイレクトが認識されないなどのデメリットがあるため、Googleも推奨していません。
canonicalやPHPなどのプログラムを利用する方法がおすすめです。
wordpressでの301リダイレクト設定方法
wordpressではプラグインの「Redirection」を利用して301リダイレクト設定を行います。
設定はソースURLに転送元URL、ターゲットURLに転送先URLを入力するだけで簡単です。転送元のURLは相対URLで入力しても構いませんが、転送先URLはhttpからURLを入力する必要があります。
設定後は確認を!
301リダイレクト設定後は、間違いなく転送されているか必ず確認をしましょう。確認には無料の「リダイレクトチェックツール」を利用します。
転送元URLを入力するだけで、転送が正しく行われているか確認でき、301と302のどちらのリダイレクト設定になっているかもチェックできます。
301リダイレクトの設定はできるだけそのまま保持し続けましょう。何らかの理由により設定を解除する場合でも、「1年は継続するように」とGoogleはコメントしています。新しいページへのインデックスとページ評価の引き継ぎが終わり、旧URLの評価がなくても問題がない状態になるまでにかかる目安が1年とされているからです。
301リダイレクトの実際の書き方例
301リダイレクトの実際の書き方を、よくあるケースごとに紹介します。
記述ミスがあるとリダイレクトが失敗してしまいます。スペルの間違いがないか、スペースはあるかどうかなど、細心の注意を払いましょう。
記述内容によく出てくる「RewriteEngine On」、「RewriteCond」、「RewriteRule」には以下のような意味があります。
- RewriteEngine On…書き換え開始の合図
- RewriteCond…書き換え対象の指定
- RewriteRule…書き換える内容の指示
意味がわかっていると、実際の書き方も理解しやすくなります。
ドメイン単位でのリダイレクト
転送元と転送先のディレクトリ構造は同じで、ドメインだけが違うケースです。
「https://www.■■.com/」から「https://www.●●.com/」にリダイレクトする場合
①RewriteEngine On
RewriteCond %{http_host} ^www.■■.com
RewriteRule ^(.*) https://www.●●.com/$1 [R=301,L]②Redirect permanent / https://●●.com/
①と②の違いはmod_rewriteが使えるかどうかです。
mod_rewriteが使えなければ②の書き方になります。
ページ単位でのリダイレクト
https://www.sample.com/■■/ から https://www.sample.com/●●/ にリダイレクトする場合
RewriteEngine on
RewriteRule ^■■/$ https://www.sample.com/●●/ [R=301,L]
ディレクトリ単位でのリダイレクト
「/■■/」から「/●●/」にリダイレクトする場合
RewriteEngine on
RewriteRule ^■■(.*)$ /●●$1 [L,R=301]
index.htmlありをindex.htmlなしへのリダイレクト
http://sample.com/index.htmlをhttp://sample.com/にリダイレクトする場合
RewriteEngine on
RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index.html
RewriteRule ^(.*)index.html$ https://www.□□.com/$1 [R=301,L]
wwwなしからwwwありへのリダイレクト
http://sample.com/をhttp://www.sample.com/にリダイレクトする場合
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^sample\.com
RewriteRule ^(.*)$ http://www.sample.com/$1 [L,R=301]
httpからhttpsへのリダイレクト
RewriteEngine on
RewriteCond %{ HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{ HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]
301リダイレクト設定時の7つのチェックポイント
ここでは301リダイレクトを設定する際のチェックポイントを7つ紹介します。
①Google Search Consoleのアドレス変更
301リダイレクト設定と併用して、Google Search Consoleのアドレス変更ツールも利用しましょう。
アドレス変更ツールとは、Googleにドメインの移転を知らせるためのツールです。新しいURLへのインデックスを早め、アドレス変更によって起こる検索結果への影響を小さくするメリットがあります。
利用できるのはドメインの変更による移転です。httpからhttpsへのアドレス変更など、利用できないケースもあるので要注意です。
参考:Search Console ヘルプ:アドレス変更ツール
②サイト内URLの変更
Webサイト内に掲載されているURLの変更も忘れずに行う必要があります。
例えば内部リンクのURL、canonicalタグや構造化データで使用しているURLです。
③XMLサイトマップの作成
301リダイレクトの際には、旧サイトと新サイトの2つのXMLサイトマップを準備しましょう。
XMLサイトマップには、各ページのURLや優先度、最終更新日、更新頻度などのWebサイトの内容を効率よく検索エンジンに伝える役割があります。
作成・設置することで、検索エンジンがページを認識するのに役立ち、素早くインデックスできるようになります。
旧サイトのXMLサイトマップは旧サイトのインデックスがほぼなくなり、新サイトへ移行した時点で削除して問題ありません。
④robots.txtの制御確認
301リダイレクトでは、robots.txtの設定を解除しておくことがおすすめです。
robots.txtは指定したページへのクロールを制限できるファイルです。設定していると、クローラーがサイト内をクロールできず、リダイレクトを認識するまでに時間がかかってしまいます。
リダイレクトの認識を早めるためにも、robots.txtの設定は解除し、クローラーがすべてのURLをクロールできるようにしておきましょう。
⑤関連性の低いページへのリダイレクト設定
転送元の内容と関連性が低いページへのリダイレクト設定は、ページの評価が引き継がれないといった事態が起こり、SEOの効果が見込めません。
新サイトに該当するページがなくなってしまう場合は、類似したカテゴリーページにリダイレクトできないか検討しましょう。
多くの外部サイトにリンクが貼られているような場合は、できるだけURLは残しておくのが理想です。
どうしても難しい場合は404エラーコードを使用し、SEOに悪影響が出ないようにしましょう。
⑥新サイトトップページに全てリダイレクト設定
旧ページすべての301リダイレクト先を、新サイトのトップページにかけることは避けましょう。
関連性が低いとみなされ、旧ページの評価を新サイトの同じ内容のページに引き継ぎできないため、Googleも推奨していません。
順位が落ちる原因になったり、404処理される可能性もあります。
正しくSEOの評価を引き継ぐためにも、ページごとに新サイトの同じ内容のページへとリダイレクトしましょう。
⑦リダイレクトチェーンとリダイレクトループ
301リダイレクトの設定ミスによって起こる、リダイレクトチェーンとリダイレクトループにも注意が必要です。
リダイレクトチェーンとは、A→B→C→Dのように転送元のページから転送先のページへ複数回リダイレクトを繰り返す現象です。
Googleはリダイレクトチェーンを10回までと制限しており、それ以降はリダイレクトエラーとなります。
ページの読み込みにも時間がかかり、サーバに負荷がかかるので、リダイレクト回数は10回以内に抑えましょう。
また、robots.txtの場合はリダイレクトチェーンの回数を5回までとしており、それ以降は404で処理します。
リダイレクトループは、A→B→Aのようにリダイレクトが同じページを循環してしまい、いつまでたっても目的のページを表示できない状態です。
エラーぺージが表示されるので、リダイレクトを設定しているファイルやプラグインを修正したり無効化したりする必要があります。
リダイレクトチェーンもリダイレクトループもサイトが表示されなくなる可能性があるので、設定の際には気をつけましょう。
参考:
・Google検索セントラル:HTTP ステータス コード、ネットワーク エラーおよび DNS エラーが Google 検索に及ぼす影響
・Google検索セントラル:Google による robots.txt の指定の解釈
301リダイレクトの必要性とは?SEOへの影響
301リダイレクトが必要な理由を、SEO観点(検索エンジンの観点)とユーザー観点の2つに分けて解説します。
SEO観点(検索エンジンの観点)
301リダイレクトは、Webサイト移転時などに既存のページの評価を新サイトに引き継ぐために必要となります。
設定をしていないと、新しいページを公開していることと同じで、今までの検索エンジンの評価を失ってしまいます。
301リダイレクトを設定していれば、SEOの評価を維持したままWebサイトの移転ができるので、100%ではありませんが、検索順位の下落や流入数の減少を防げます。
URLの正規化でも重要です。URLの正規化とは、wwwの有無など、同じコンテンツにどちらからでもアクセスできるような状態を1つのURLに統一することです。
例えば、www無しのページにアクセスした時に、www有りページに転送されるようリダイレクト設定をかけることで、同じコンテンツでSEOの評価が分散しないように対策できます。
ユーザー観点
旧サイトにアクセスする既存ユーザーのために、新しいサイトへ転送されるよう301リダイレクト設定をする必要があります。
301リダイレクトを設定していなければ、旧サイトにアクセスしたユーザーはサイトを見れず、問い合わせなどが来なくなってしまいます。
301リダイレクトが必要な場面
301リダイレクトが必要な場面はWebサイトのURLが変更になった時です。具体的には以下のような場面です。
- サイトの移転
- サイトリニューアル
- Webコンテンツの構成変更
- サイト設計変更
- SSL化
- URLの正規化
302リダイレクトとの違いは?
301リダイレクトと302リダイレクトの違いは、転送期間です。
301リダイレクトは「恒久的な転送」であるのに対し、302リダイレクトは「一時的な転送」で、元のURLに戻ることを想定しています。
302リダイレクトは、検索エンジンからの評価は転送先サイト・ページに引き継ぎますが、インデックスは旧URLとなります。
ユーザーにとっては、どちらを設定してもページが転送されるのでほとんど問題はありません。
問題となるのはSEOに関してです。
302リダイレクトは、検索エンジンが完全な移転として認識するまで時間がかかります。恒久的な移転を302で設定すると、SEO評価が移転するのも遅くなってしまいます。
302リダイレクトが必要な場面は以下のような時です。
- サイトのメンテナンスお知らせページへの転送
- 一時的に別URLで公開
- パソコン表示をスマホ表示のページへ転送
正しく301リダイレクト設定をしよう
301リダイレクトは、検索エンジンからの評価を引き継いだまま、サイトの移転やリニューアルができます。「.htaccess」やプラグインの「Redirection」を利用して設定し、設定後にはツールを利用して必ず確認をするようにしましょう。
設定を忘れたり、スペルミスなどでリダイレクトに失敗するとSEOにも大きな影響が生じてしまいます。設定時には、SEO効果を維持するために、チェックポイントを参考にしながら正しく設定しましょう。
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